G-Works プロ養成ギター教室 http://www.g-works.gr.jp/
お問い合わせはこちら
info@g-works.gr.jp
コラム
第11話 - エフェクターについて  by 矢萩 秀明
 最近、私が使用しているエフェクターについて使用レポートを報告しましょう。あくまで私の個人的な感想であり、特定のメーカーなどに利益を与えるものでも害する目的のものではありません。



RC BOOSTER
写真1

 写真1は、最近の私のお気に入りの一つ「RC BOOSTER」これはクリーンブースターと言われるもので、音を歪ませずに音量を増幅するものだ。とは言っても本当は少し歪みが入っている。真空管アンプの音量を上げていった時、聴感上歪んでいるように聞こえなくても実際はほんの少し歪んでいるものだ。そのため真空管アンプ特有の太く張りのあるサステインの効いた音になるのだ。このエフェクターはその真空管アンプ特有のサウンドを再現するものだ。例えば JC-120のように薄っぺらい個性のないサウンドのアンプを使わざるを得ない時でも、このエフェクターを使うことによって高級真空管アンプのようなサウンドに変化してしまうのだ。これは私のような旅先でレンタル楽器を使わざるを得ないプロ・ギタリストにとっては魔法の小箱なのだ!コントロールはGAIN/VOLUME/TREBLE/BASSだ。ここで一番大事なのはGAINのセッティングだ。フルにすればオーバードライブくらいの歪みになるのだがそうした使い方はもったいない。ギターの出力にもよるが9時〜12時くらいの範囲がおいしいのだ。通常クリーンな音が欲しければ9時〜10時くらいの範囲でいいだろう。ベンチャーズ・サウンドのようなシングル・コイルPUで迫力あるサウンドが欲しい時や、強く弾いた時だけ歪む迫力あるクリーン・リードが欲しい時は12時くらいまで上げるといい。

 本機はバッファーの機能も持っているのでギターから直でエフェクターの一番先頭につないでいるが、一番最後につないでいる人もいるらしい。私にとって本当に便利なものなのだが、真空管アンプを使っている人にはあまり必要無いかもしれない。



EBS MULTI COMP
写真2

 写真2は、最近の私のお気に入りのもう一つである「EBS MULTI COMP」これも私にとって魔法の小箱だ。EBSと言うのはベースのエフェクターやアンプなどを製作しているスウエーデンのメーカーらしい。これは従来の名器MXRのDYNA COMPタイプの頭が強力につぶれるコンプレッサーではなく、ラックタイプの真空管コンプレッサーのような実にナチュラルなかかり具合を実現しているのだ。コントローリはSENNS/VOLUMEとコンプレッサーのタイプを選ぶスイッチがついている。この中のTUBEを選ぶと真空管コンプレッサーのシュミレーションになる。これはオンにして通しているだけでもう音が太くなる。アタックは少しだけ押さえられ原音のまま音が伸びる感じだ。ダイナ・コンプのような頭がつぶれたり、BOSSのコンプのように音がこもったり、サステナーのように音が汚くなることもない。ディストーションと併用すると音が伸びること伸びること!小さな音でもフィードバックが得られるのだ!この値段とサイズでこの高性能!!これは買いです!



HOT CAKE
写真3
DOD/OverDrive Preamp
写真4

 写真3は「HOT CAKE」これはオーストラリア生まれのオーバードライブだ。コントロールはGAIN/VOLUMEとプレゼンスのスイッチだ。つまみが3つになった新バージョンもあったがこちらの方が音が太かった。これは他のオーバードライブの名器達とは若干違う使い方をしている。ホットケーキは若干曇ったトーン・キャラクターを持っていて、良く言えば温かく太い音がする。悪く言えば暗い音だ。これはゲインを低めに設定し強く弾いた時にわずかに歪むくらいで使う。プレゼンスのスイッチはオンにした方が抜けが良いようだ。ある程度ゲインを高く設定してもピッキング・タッチの強弱に完全についてきてくれる。まるで真空管アンプのレスポンスを思わせる。エフェクトをオンにしたときにゲインが落ちないので使いやすい。歪みが浅くても深くても原音のニュアンスが変わらずに残っていて低音域の輪郭がぼけない。チューブ・アンプぽいレスポンスだ。私はクリーンとクランチの中間のサウンドとしてリードに使ったり、タッチを弱くすればコードも弾けるのでボリュームペダルと組み合わせてシンセ・パッド的な白玉を弾いたりする時につかっている。もちろんある程度歪ませてオーバードライブとして使ってもブルージーで大人っぽいサウンドがする。ただしカラッとした明るいサウンドは出ないので、そういうサウンドが欲しい人には「DOD/OverDrive Preamp(黄色い方)」(写真4)を薦める。



EMMA
写真5
Proco RAT
写真6

 写真5は「EMMA」うーん、これはなんて読むのか判らない!赤くてEMMAと書いてあるので私は「閻魔大王」と呼んでいる。デンマーク製のディストーションなのだ。実は私はジェフ・ベックが使ったことで有名になった「Proco RAT」(写真6)の愛用者だったのだが、愛用していたオリジナル・ラットがついにお亡くなりになり、やむなくニュー・ラットを使っていた。しかし、これも間もなく壊れ、最近さらに新しいタイプのラット(ケースが真四角でなく斜になったタイプ)を購入したのだが、これがいままでのラットとはまるで音が違う。私はこれは欠陥商品を買ってしまったのだと思い、楽器店にガンガン文句を言い別の新品と取り替えさせたのだが結果は同じ。どうもこれが新しいラットのサウンドらしい。がっかりした私はちょい前の型のラットを捜しまわりやっと手に入れたのだが何とこれもすぐ壊れてしまった。どうもフットスイッチが良くないらしい。何度かオンオフを繰り返しているうちに突然音が蚊の鳴くような細い音になる。こうして私の楽器庫はラットの墓場となってしまったのだ。(涙)ついにラットを使うことをあきらめた私はお茶の水の宮地楽器に向かった。この店はお茶の水の他の楽器店とは少し離れた所にあるため静かにゆっくりと楽器を選ぶことができるので愛用しているのだ。(でもなかなか顔と名前を覚えてくれない。ほんとに商売気が無いよね。)ここで色々試した中で選んだのが閻魔大王だった。いろいろ試した中にはこれよりもっと自分好みのものもあったのだがあえてこれにした。その選択の基準は仕事に使いやすい音かどうかだった。仕事に使うことを前提にするとある程度派手な歪みとトーンが必要だからだ。BIASと言うつまみがありこれを上げると真空管アンプっぽい音になる。またm1弦から6弦まで歪みの感じが変わらないのが良かった。しかし原音の輪郭がなくなる感じ。いわゆる腰のない音で、シンセのサウンドとブレンドしやすい音で、ある意味現代的と言える。現在、私の二軍セット(旅用)にはこれが納まっているのだが、オンにするとゲインが下がってしまう。と言うか音に腰がないのでそう聞こえるのだと思う。そこがが欠点だ。よってこれはお薦めしない。



ARION STEREO CHORUS
写真7

 写真7は「ARION STEREO CHORUS」スコット・ヘンダーソンが使っていたことで見直されたエフェクターだ。もともと上野あたりのまったく無名のメーカーが製造していた。見た目がチープなこともあり昔は楽器屋の店頭の安売りワゴンに山積みされていたものだ。スコット・ヘンダーソンが使うまではだれも見向きもしなかった代物だ。このコーラスはかかりがえぐい。深くかかりすぎて単音のメロを弾くと、波のディップに入った時に音が途切れることがある。ただバンドのアンサンブルの中でいかにもコーラスかけましたって感じで聞こえるので使っている。欠点はオンにした時に生音より音量が大きくなることだ。音量が下がるものも使いにくいが.やはりこれも使いにくい。



ヤマハSV
写真8

 写真8は「ヤマハSV」このボリューム・ペダルも隠れた名器だ。これも有名ギタリストが使ったことで注目された。小型で安価で性能が良い。ラック・システムに入れても問題なく使える。+4の高いアウトでもちゃんと絞りきれる。しかし、製造元のヤマハでさえこのボリューム・ペダルが名器であることに気がついていなかった。そのため廃番になってしまった。しかたがないのでデッドストックを探すしかない。私は錦糸町の島村楽器店で見つけたのであるだけ全部買った。他の人にも分けてあげたので今は4台くらいしか持っていない。中古は避けたいのでデッドストックを見つけ次第買っている。ただ、やはりゲインが少し下がり、ハイ落ちすることは避けられない。この性能で5000円程度の価格だし、大きさ、軽さ、音の良さなどかなり合格点に近いのだが、惜しいな。また、ボリュームを絞り切った時だけチューナーアウトに信号が行くようになっている。これは一般的には便利な機能なのだろうが.私は音を出しながらチューニングしたいのでこの機能は気に入っていない。良いボリューム・ペダルが出現してほしいものだ。



BOSS DD-3
写真9

 写真9は「BOSS DD-3」コンパクトなディレイは良いものがなかなか無い。このディレイもミキサー部の音質が悪く、かなり音が悪くなる。しかしコンパクトなものには良いものが無いので比較的にましなものを使っている。ディレイに入る前の信号をパラ分けして、片方をディレイに送りディレイ音だけをミキサーに送る。もう片方は直接ミキサーに送りバランスを取ってミックスすると断然音が良くなる。(使用するミキサーの質にもよるが)ただこうするとしかけが大掛かりになるので、一時こうしていたが今は諦めている。



HOLY GRAIL
写真10

 写真10はエレクトロハーモニクスのHOLY GRAIL。初めはアンプのリヴァーブを使っていたが、残響感に乏しいので、BOSSのデジタル・リヴァーブを使っていたがリヴァーブ音がクリアーでなかったので使用しなくなった。最近はエレクトロハーモニクスのHOLY GRAILを使っている。リヴァーブ音がクリアーできれいだ。スプリングとホール、そしてもう一つ特殊なリヴァーブがプログラムされている。その日演奏するホールの残響の具合を見てスプリングにするかホールにするか決めている。残響の少ない場所ではホールを.残響の多い場所ではスプリングリバーヴを使っている。3つにプログラムはどれも良いが、特殊なリヴァーブは実際にはあまり使える場面がないだろう。それに欲を言うともう少しコンパクトなサイズだと良かったなぁー。もう一つ、EBSのデジタル・リヴァーブも良かった。コンパクトだし変なプログラムは入っていないし、電源コードのジャックも日本式だし。ところがこのEBSはベース用のため、エフェクトのかかりが低音に寄っている。だからギターの1弦にちょうど良くかかるように設定すると6弦を弾いた時にグワーンと風呂場のようにかかり過ぎてしまう。6弦に合わせると1弦を弾いた時に物足りない。惜しいぃー!



TU-12
写真11

 写真11はBOSSのTU-12。以前は床置き式でないチューナーを床に置いて使っていたが非常に使いにくかった。このTU-12はコンパクトだし暗いステージでも見やすいので便利で使いやすい。4個も持ってます。直列につなぐこともできるが、デジタル・ノイズと音質の劣化をさけるために並列にして使っている。また他のエフェクターに電源を分けられるようになっているのも便利で使いやすい。本当にいいものを出してくれたよね。BOSSに感謝です。KORGからも同じような製品が出ているようだけどそちらはノーチェックなので分かりません。



ノイズゲート/ラインドライバー
写真12

 写真12はMXRのノイズゲート/ラインドライバー。実はこれはかなり昔に購入した製品だ。だから電源ジャックはついていない。今はこれがグレード・アップした製品が発売されているので、これから購入する人は新しいタイプをどうぞ。このノイズゲートは普段は使わないのだが、レコーディングの時に大活躍している。ディストーションの後につないでおくことが多い。刻みにかけると切れが良くなる。



プログラマー
写真13

 写真13はエフェクターをプログラミングできるプロビデンスのプログラマー。とても良い製品ですがもう少し小さいといいのになぁー。それにスイッチが踏んだ時にカチャっと鳴ってくれるのはいいのだが、遊びがあってちょっと押しただけでスイッチが入っていないのにカチャっと鳴ることがあり、非常にまぎらわしい。音だけして切り替わっていないことがあるので慣れないと失敗する。また、バッファー・アンプも内臓されていて使用するかしないかは自由に選択できるのだが、バッファー・アンプを通すと少し音が甘くなる。まあ、どんなバッファー・アンプでも多少音は変化するものだからしょうがない。プログラムは5つだがモード・スウィッチを利用すると実質6プログラムとして使える。欠点は全体の配線の長さが長くなることかな。同じ数のエフェクターを使うとして配線をできるだけ短くしてシリーズ(直列)につなぐのとはたしてどちらが音質が良いのか疑問だ。



パワーサプライ
写真14
パワーサプライAC-DC Station ver.2
写真15

 写真14はMAXONのパワーサプライ。写真15はCUSTUM AUDIO JAPANのパワーサプライAC-DC Station ver.2。以前はマクソンを使用していたが、今はカスタム・オーディオ・ジャパンのパワーサプライを使っている。電源を替えたら音が良くなった。ステージで照明が派手についても音痩せしない。容量も1000mAあって、余裕だ。これはお薦めです。



ステップアップ・トランス
写真16

 写真16はエレクトロハーモニクスのステップアップ・トランス。これは電源の電圧を100Vから117Vにあげるものだ。一般的には外国製品を日本国内で使うために使用するが、別の使い道もあるのだ。ステップアップ・トランスは1次側コイルに100Vを流すと2次側コイルにコイルの巻数に応じた誘導電圧が発生する。1次側コイルと2次側コイルはつながっていないところがポイントだ。だから1次側に電源ノイズが乗っていても2次側には影響しない!ころを利用して楽器電源のノイズ対策として使用するのだ!!ただしトータルの電力を計算して余裕のあるものを使おう。



VOODOO-1
写真17

 写真17はロジャー・メイヤーのVOODOO-1だ。これはファズ系のディストーションだ。スタジオでファズが欲しいと言う時にこれを使うと大抵の場合、OKだ。品質が高く、音も良い。アウトが2つあるのも便利だ。アクティブのパラボックスとしても使用できる。歪みのつまみを下げるとクリーンな音も出るのでRCブースターのようにクリーン・ブースターとしても使える。この場合、エフェクターの初めにつなぐと良い。



DD-402 Distortion
写真18

 写真18はThe Great DeceiverのDD-402 Distortionだ。プロビデンスとピート・コーニックが共同製作した製品だと言う。きめの細かいマイルドな歪みでトーンとゲインをフルにしてもちょうど良い歪み具合にしかならない。逆に言えば使える音の範囲が狭いということか。個人的には好みの音だが、仕事用としては少しおとなしいサウンドだ。歪みが浅くぎらぎらサウンドはでない。
戻る |  第12話へ
Copyright (C)2001-2005 Hideaki Yahagi. All right reserved.
当ページに掲載されている全ての画像、文章、データの無断転用、転載をお断りします。