G-Works プロ養成ギター教室 http://www.g-works.gr.jp/
お問い合わせはこちら
info@g-works.gr.jp
コラム
第21話 良い作品と良い商品  by 矢萩 秀明

神戸に石井一男さんと言う画家がいる。
独特のタッチで女神の絵を描く。
壁の中から浮かび上がってくるような女性の顔。そこには優しさが溢れ絵を見た者の心を清め癒してゆく。その絵の神々しさ故に人はいつしか石井氏を「女神の画家」と呼ぶようになった。

石井一男さんは、高度経済成長期のまっただ中に成人し、いったんはサラリーマンになった。当時の日本は「猛烈社員」と言う金儲けを第一目標にがむしゃらに働くサラリーマンを尊ぶ風潮があった。
しかし、石井氏はそうした風潮に違和感を感じた石井氏じゃ会社を辞めアルバイトで生計を立てた。
石井氏に家族は無く、内向的な石井氏は仕事以外では家に閉じこもる孤独な毎日を送った。孤独のあまり石井氏は自殺も考えたことがあると言う。
その孤独を癒すために石井は絵を描き始める。石井氏は絵を学んだことはなく、まったくの独学である。
毎日、無心に画紙に向かい、心に浮かんだイメージを描いてゆく。
石井氏が個展を開くと展示した1点が8万円の絵は完売する。
しかし、石井氏には気取ったところも、芸術家然としたところもなくいたって庶民であり、毎日少しも変わらない日課を送り、ただ黙々と絵を描き続けている。

私はこれが芸術家の姿だと思う。
次元は少し違うが、職人は良い作品を作ろうとし、商人は売れる商品を作ろうとする。
良い作品と良い商品は必ずしも一致するものではない。
「良い作品を作っても売れなければまったく意味が無い」と言う意見がある。
良い作品は作れるが売れる作品を作れない職人は果たして責められるべきなのであろうか?

先に紹介した石井一男さんがもし売れていなかったら彼の作品には価値がないのだろうか?

皆さんはどう考えますか?。

矢萩秀明

2010年2月11日

戻る | 第22話へ
Copyright (C)2001-2005 Hideaki Yahagi. All right reserved.
当ページに掲載されている全ての画像、文章、データの無断転用、転載をお断りします。