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コラム
第36話 バンド・アンサンブルについてキーボード編 by 矢萩 秀明

 バンドのアンサンブルにおいて、キーボードは、和声進行を提示するのが主な役目だ。
ギタリストはコードを弾く場合、キーボーディストの弾く和音のボイシングに注意しなければなりません。
例えば、コード・ネームにテンションが指示されている場合に、そのテンションをトップに持ってくるのか、内声にするのかなどを聴きとって合わせるのです。
コード・ネームに指示がない場合でも、キーボーディストが独自の判断でテンションを入れている場合もあるので、その場合にもそれに合わせるか、そのテンションとぶつからないボイシングにします。
その他、例えば7thの音をどう扱っているのかなどを聴き取ることは必要です。
キーボーディストがメロディックな伴奏パターンや、ラインに基づく伴奏を弾いている場合にも、ギタリストはトップを揃えるか、そのパターンとぶつからない別のアプローチをする必要があります。
もとよりギターはキーボードほど自由なボイシングはできません。クローズド・ボイシングなどはまったく不可能とは言えませんが、実現するためにはきついストレッチを使ってコードを押さえなければなりません。コード・チェンジがゆっくりならば演奏可能ですが、速いテンポでの細かいコード・チェンジは演奏の難易度が上り、ミスの危険が増してしまうでしょう。
そこで、クローズド・ボイシングにこだわらず、2~4音くらいで、ギターで演奏しやすい形にボイシングしたコードを使うのが現実的です。
例えば、テンションを入れないのであれば、コードの3度と7度だけの和音を弾きます。3度と7度の音は和音のエッセンスであり、省略できない重要な音ですから、これだけを弾いていれば、キーボディストがテンションを加えたとしても問題は起きません。
もし、テンションを加えたいなら、この2音を押さえた上で、指の届く範囲で、もう1音(できればテンション)を付け加えればよいのです。
テンションや共通音をうまく使って、なるべく音数が少なくて響きのよいコードを弾くようにします。
アッパー・ストラクチャー・トライアドの考え方は、演奏が容易なトライアドを使って、様々なコードを表現できるのでギタリストにとって有益な理論です。

ギターでコードを弾く場合、開放弦を交えたコードを使うと、ギターらしいとても魅力的な響きがします。
ただ、こうした場合に、キーボードとの違いを理解しておく必要があります。
例えば、ギターで5弦からD・F#・G(開放弦)・D・E(開放弦)と押さえるととても不思議で美しい響きがします。無理矢理コード・ネームを付ければD(add11・add9)とでもなるでしょうか。
3rdのF#とsus4のGが同居するという理論的にはあってはならないコードです。ギターでこのコードを弾くと音のぶつかりなどまったく気にならなりません。しかし、キーボードで同じボイシングを弾くと半音のぶつかりが汚く濁ってしまいます。
もし、ギターのサウンドを活かすのなら、キーボーディストにギターのボイシングを壊さないように工夫してもらうように頼む必要があるでしょう。

もし、キーボディストがリズミックなパターンを演奏しているなら、ギターはミュートなどの控えめでリズミックな伴奏法にします。逆に、キーボディストが白玉を弾いている場合には、ギターは、適度にリズミックなパターンを演奏します。
ただし、こうした例はキーボードがメインの場合であって、もしギターの刻みがメインのパターンであれば、キーボードの事は気にせずに思いっきり弾けば良いのです。

キーボードのチューニング・ピッチに注意することは必要です。
調律されたアコースティック・ピアノを使う時には、大抵のの場合、調律師に調律の基準ピッチが指示されているので、ギターもその数値でチューニングします。
問題は、調律されていないピアノを使う時です。
ライブハウスなどでは、大抵の場合、大幅に狂っています。こういう場合には、一番ギターの音域に近い音域の鍵盤のピッチに合わせることです。
また、シンセ音源で打ち込まれたオケにギターをダビングする場合に、シンセなどのデフォルトのピッチが440になっていることがあります。
これは録音する前に、打ち込んだ人に確認することです。もし、不明な場合には、一旦、440でチューニングして聴感上で違和感が無いかどうか確認するしかないでしょう。

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