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コラム
第49話 速弾きと上腕について by 矢萩 秀明

 速弾きを考えた時、ピッキングする側の腕の使い方が大きな問題になります。ここではこうした肉体的な事柄を考えてみましょう。

 肘から先の前腕を曲げたり、伸ばしたりするのには、いくつかの補助的な筋肉も使いますが、主に、上腕二頭筋と上腕二頭筋の働きです。
上腕二頭筋は、肩関節から肘関節にまでまたがる、長頭、短頭の二つの筋頭を持つ、2関節筋で、橈骨(とうこつ)の上端に付着する強力な屈筋です。「ちからこぶ」を作り出す筋肉です。
上腕二頭筋の主な働きは、肘関節の屈曲動作です。
また、前腕の回外(肘を曲げた状態で体側側へひねる動作)の際にも回外筋として働きます。

上腕三頭筋は、肩関節から肘関節にまでまたがる、長頭、内側頭、外側頭の三つの筋頭を持つ2関節筋で、尺骨の肘頭に付着する伸筋です。
上腕三頭筋の主な働きは、前腕を上腕から離す動作(伸展動作)の際に、主力として働きます。

この二つの筋肉の働きにより、腕を曲げ伸ばしする動作が、ギターを弾く時には、ピッキングやストロークの動作になります。

高速でピッキングをする場合、次の三つのピッキング方法があります。

1、腕の回転によるピッキング
2、腕の振りによるピッキング
3、指先によるピッキング

腕の回転によるピッキングは、比較的に力が少なくて済み、高速で楽にピッキングできます。
しかし、この方法は音が細く、音量も小さいのが欠点です。
また、指先によるピッキングは、弦移動が難しいのが欠点です。

そこで、腕の振りによるピッキングを使います。
腕を振るというより、細かく振動させるように動かします。
この動きは、主に、前述した二つの筋肉を使った、肘から先の前腕の曲げ伸ばしの動作と同じです。

この時、手首を脱力して、ブラブラの状態にしてはいけません。それでは、ピックのコントロールが出来なくなってしまいます。
手首には、姿勢を保つだけの適度の力を入れて、手がブラブラ動かないようにします。
そして、ピックを持つ指先には、必要以上の力を入れないようにします。
ピックの当て方は、平行アングルになるようにします。
順アングルにして、ピックのエッジを立てるようにすると、ダウン・ピッキングは、弦の抵抗が減って弾きやすくなりますが、反面、アップ・ピッキングは、弦にひっかかりやすくなり、かえって弾きにくくなります。
高速でピッキングしようとした時に、ピックが弦にひっかかると感じたら、アングルを再確認するか、ピックの握りを弱くするか、ピックを差し込む深さを浅くするかして、弾きやすいポイントを探してください。
ピックの握りを弱くし、深さを浅くすると、音量は落ちてしまいますが、速さを追求する過程では、一旦、高速のピッキングを実現してから、握る力を強めたり、深さを深くしたりして、だんだんと音量のアップを図ります。

話を元に戻しましょう。
腕の回転を使ったピッキングやストロークは、前腕の筋肉を使っていますが、腕の振り(振動)による高速のピッキングは、上腕の筋肉を使います。
速弾きしようとするなら、ある程度の上腕の筋力トレーニングは有効だと思われます。

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