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コラム
第50話 練習の考え方 by 矢萩 秀明

 練習の考え方として、大前提になるのは、「できる事を拡げて行く」ということです。
決して、出来ない事を数え上げることではありません。

よく、「出来ない事が沢山あって、なかなか上手くならない。」と、嘆く人がいますが、それは根本的に心得違いしています。

新しい事を学べば、すぐに出来なくて当然です。
私だって、プロになって39年ですが、まだ出来ない事もありますし、出来るようになりたいことも沢山あって、今だに、研究・勉強・練習をしています。
「もうこれでいい」と言うことは無くて、きっと、これは、一生変わらないのだと思います。

 これまで出来なかった何かを、出来るようにする為には、出来ない事をいくら数え上げてもダメです。
「0(ゼロ)」はいくつ重ねても「0」です。

その時点で、少しでも出来ていることがあったら、それを応用出来ないかと考えましょう。
もし、上手に弾くことが出来るフレーズがあったら、そのやり方で、もっと別のものも弾けないかどうか、考えてやってみるのです。

例えば、テンポが?=80で、32分音符を弾けるようになりたいのだとします。
4小節間、32分音符で弾き通そうとしましたが、出来なかったとしましょう。
ここで弾けないかことに落ち込んでも、何の進歩もありません。
1小節ならどうですか?
2拍の間なら弾けるのではありませんか?
もし、1拍でも弾けるのなら、それを足掛かりにして、2拍続けられるように練習しましょう。2拍のフレーズを考えて、出来る事を増やしましょう。
2拍のフレーズが幾つか出来たら、それをつないで4拍のフレーズにしてみましょう!
1つのフレーズが出来たら、音の使い方を変えて、他のスケールやコードに対応出来るように作り変えてみましょう。
もちろん、テクニック的な分析もして、テクニックに問題が無いか検討することも必要です。
ただ、「これが出来ないから駄目だ。前進出来ない。」と考えずに、「これなら出来るから、このやり方を拡げてみよう。出来る事を増やして、少しでも前進しよう!」と考えるのです。

 新しいテクニックは、自然に出来るようになるまで、時間が掛かるものです。焦らずにじっくり練習を続けましょう。
まあ、それにしても、工夫が必要ですよ。

 キーワードは、「出来る事を拡げる」、「少しでも前進する」です。どうしたら一歩前進できるのか?考えましょう。

 どんなミュージシャンも、自分の得意なことを積み上げて、自分の演奏を組み立てています。
敢えて、苦手なことで勝負する必要はないのです。
新しい挑戦なら別ですが。

 いつも座って練習している人は、立って練習してみましょう。逆に、いつも立って練習しているのなら、座って弾いてみてください。
何か変わったことに気づきませんか?一方では出来ていたのに、もう一方では出来ないことはありませんか?
弾き心地は同じですか?
もし、違いがあるのなら、その違いについて、検討してみてください。

・ピッキングする右手の傾き具合
・ギターのボディの位置の違い
・体とギターのボディの交差角
・体に対してのギター・ボディの傾斜角
・フィンガリングする左手の高さの違い
・指板の見え方の違い
・両方の肩や肘の位置の違い
・背骨や腰の使い方の違い
etc.

その違いを見つけて、その違いが演奏にどんな影響を与えているのかを考えます。
問題を見つけたら、どちらの姿勢でも、変わらずに、同じことが出来るように、改善してみましょう。
その過程で、きっと何か、新しい重要な発見があるはずです。

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