G-Works プロ養成ギター教室 http://www.g-works.gr.jp/
お問い合わせはこちら
info@g-works.gr.jp
コラム
第51話 演奏の分解能 by 矢萩 秀明

 シーケンサーやシーケンスソフトには「分解能 [resolution]」という言葉があります。4分音符を何分割することができるかという分割数で表し、そのシーケンサーの性能を表しています。
パソコンで使われるソフトでは、初期には分解能が48のものがよく使われていましたが、最近では「480」から「960」の高分解能が一般的になってきました。
シーケンサーに手弾きで入力をした経験がある人なら知っていることだと思いますが、熟練した演奏者がどんなにクリックにジャストのタイミングで入力しても、手弾きで入力しているなら、その音のタイミングのデータを見ると、微妙に早かったり遅かったりしています。
人間の演奏は、機械とは違って微妙にテンポが揺れていたり、意識的に微妙に早く弾いたり、遅く弾いたりするのが自然なことだからです。
この人間の微妙なタイミングを再現するためには、分解能はより細かい方がよいことになります。分解能が粗いと、それより細かいタイミングは一番近いより粗いタイミングとして処理されてしまうからです。
分解能960に比べれば、分解能48なら誰が弾いてもほぼ同じタイミングになってしまうわけです。

 さて、ギターの演奏にもこの分解能と同じような考えが当てはまると思います。
例えば、あるフレーズやパターンをクリックに合わせて演奏するとしても、熟練した演奏者なら微妙にタイミングを調整して演奏し、よいノリを作り出します。
16ビートを演奏するからといって、演奏者が感じている最小単位の音符が16分音符であったら、それはシーケンサーの分解能が16であるということと同じで、それよりもっと細かい微妙なタイミングは表現できないことになります。
逆に、演奏するビートより細かい音符を感じて演奏すれば、それだけ、より微妙なタイミングを表現できるわけです。

 また、演奏の技術の上でも、滑らかに素早く演奏するためには、演奏しようとするビートよりもう一段階細かい音符を感じなければならなりません。
ギターの演奏技術において、この命題を達成するためには、一言で言えば、「用意してから弾く」ことに徹すればよいのです。
一般的には、音符を弾く、まさにその瞬間に、右手も左手も間に合わせようとする人が多いのです。
それで上手くいくこともありますが、失敗することも多いのです。
熟練したギタリストは、その演奏のあらゆる場面で、できる限りあらかじめ用意してから弾こうとします。
そうすることによって、素早く滑らかで確実な演奏が可能になるからです。

 具体的には、例えば、8分音符を演奏するなら、16分音符のタイミングで左手(フィンガリングする指)を、先回りして次の音符を弾く準備をしながら、フィンガリングしていくことになります。
文章だけでは説明しにくいのでこれで止めますが、G-Worksでは、こうした実に地味な、しかし大切な技術をマスターすることを重視しています。

戻る | 第52話へ
Copyright (C)2001-2005 Hideaki Yahagi. All right reserved.
当ページに掲載されている全ての画像、文章、データの無断転用、転載をお断りします。