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Q&A
<Q7> 楽譜をみてギターを弾く場合、移動ドと固定ド、どっちで読めばいいか?
K&Tさん (2002/06/02)
 タブ譜をみてじゃなく楽譜をみてギターを弾く場合、移動ドと固定ド、どっちで読めばいいのですか?あるジャズギターをしてる先生が確かに移動ドでも読めるがジャズをしてると限界があるといってました。僕はスタジオミュージシャンに興味をもっているんですがスタジオミュージシャンは楽譜をどう読んでいるのでしょうか?ちなみに矢萩さんは移動ド 、固定ドどっちで読んでいますか?


<A> 矢萩秀明

 K&Tさん、はじめまして。メールをいただいてありがとうございます。このメールを書いたのはTさんですね。Kさんもギターをやっているのかな?それともボーカル?私の書いた本を見てメールを下さったのでしょうか?それともインターネットのリンクをたどっていらしたのでしょうか?どちらかの学校で音楽を学ばれているのかもしれませんね。さて「楽譜をみてギターを弾く場合、移動ドと固定ド、どっちで読めばいいのですか?」と言う質問ですね。

 「移動ド(唱法)」は、ある長調のメロディーを別な長調に移調した時、それがどんな音名であってもスケールの・(トニック)の音であったら「ド」と読み、それ以外の・、・、・、・、・、・の音もそれぞれ「レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」と読んでいく方法です。

 あるメロディーをピアノで弾く時、ピアノの白鍵だけで弾けるのと、黒鍵を沢山使わなければいけないのとどちらが簡単に感じますか?白鍵だけで弾ける方が断然簡単ですよね。「白鍵だけで弾ける」と言うのはC Major Keyだからですよね。、C Major Keyの場合、「・、・、・、・、・、・、・」と音名「C,D,E,F,G,A,B」と階名「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」が一致しているので当然「ド、レ、ミ」だけで読めるわけです。またこの時、「ド」と言うのは「トニック(主音)」、「ファ」は「サブドミナント(下属音)」、「ソ」は「ドミナント(属音)」、「シ」は「リーディング・ノート(導音)」であるといったことまで分かるわけです。(これを音の「機能」と言います。つまり、働き、役割、性格ということです。)これを他のKeyに移調すると、この3つは一致しなくなります。例えば、G Major Keyだと、
機能: ・、・、・、・、・、・、・
音名: G, A, B, C, D, E, F#
階名: ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
となり、これをもし音名で歌うとなると「ソ、ラ、シ,ド、レ、ミ、ファ#」をと歌いながら階名「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」を感じ、さらに「ソ」が「トニック」、「レ」が「ドミナント」などと考えなければいけないことになります。とても歌いにくく、分かりにくいものになりますね。しかし、もしどんな調でもC Major Keyのように白鍵だけで弾けたらどうでしょう?Tさんはシンセサイザーなどに付いているトランスポーズと言う機能を知っていますか?どんな調でもC Major Keyのように白鍵だけで弾けるようにする便利な機能です。いわばこれと同じなのが「移動ド(唱法)」です。音楽が簡単になる方法なので、耳だけに頼って音楽をしてきた人に多く、曲全体の調を変えるような場合に驚くような早さで移調でき、曲を理解することができます。(コード・チェンジに対しても「移動ド(唱法)」を応用します。)しかし、ジャズのスタンダードのように一曲の中で、部分的にころころ調が変わるような場合、「移動ド(唱法)」で歌うのは困難になっていきます。また、スタジオ・ミュージシャンのように初見で曲を演奏するような場合、臨時記号が多い時や部分転調が多い曲に対しては「移動ド(唱法)」で譜面を読むのは困難になっていきます。このように、「移動ド(唱法)」は「移調」に強く、転調に弱いのです。

 反対に、「固定ド(唱法)」は音をすべて音名で歌う方法です。絶対音感を持った人に多いようす。この方法は、譜面を読みながら演奏する場合、臨時記号や部分転調に対しても絶大な威力を発揮します。譜面に強くなりたいならこの方法をお勧めします。しかし、反面、音楽の構造や機能を理解しようとする時、また他の調に移調する時に頭の中で機能と音名と階名を一致させる作業が必要になります。これは難しいことで、大抵の人はパニックになってしまいます優れたミュージシャンはこのタイムラグが極力無いように自分を訓練しています。

 ちなみに私は、譜面を読む時は「固定ド(唱法)」で、音楽を耳だけで聞き取る時は「移動ド(唱法)」です。(私は相対音感しかありません。ですから、メジャースケールはどんな調でもドレミファソラシドに聞こえます。Tさんもそうではありませんか?)

 このように、どちらの方法にも長所と短所がありますから、どちらかではなく、それぞれの良い所を活かせるように訓練していった方が良いと思います。

 また、「スタジオミュージシャンが楽譜をどう読むか?」に関しては、単に移動ドか固定ドかという次元ではなく、もっと奥深いものがあります。簡単に言うと、音符を読むだけでなく音楽を読むのです。

 G-Worksでは高校生から社会人まで多くの若者が楽しく真剣に音楽を学んでいます。レッスンも見学できますから遊びにいらしてください。K&Tさんが素晴しい音楽家に成長されることを祈っています。


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