習うということは、すべてを手に入れることではない。
それは、ささやかな杖にしかならない。
目指すところまで自分自身の力で歩かなければならない。
ただ、私はしばらく一緒に歩いてあげることはできる。
そして私の知っていることを話そう。
君が将来一人で険しい道をゆく時に、折れないしっかりした杖を渡すために今の鍛えがある。
足の衰えのない若い君には、今は杖など必要ないだろうけれど、やがて分かる時が来るだろう。
木に水をあげる時に、花や葉に水をあげる人は多いけれど、私は根に水をあげることをしているのだ。
2007年6月5日
矢萩秀明
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