第82話 – ガングリオン


2020年の9月中旬にギタリスト仲間のKさんから突然1枚の写真が送られて来た。タトルは「手首ガングリオン」とあった。

Kさんは私と同世代のベテラン・ギタリストで業界での信頼も厚い人物だ。
私も大変お世話になっている。
電話してお尋ねしてみると40年来、ガングリオンに悩まされて来たのだそうだ。なるほど写真を見ると手首の甲側に大きくコブのようなものが見える。

ガングリオンは中にゼリー状の物質の詰まった腫瘤、つまりできものである。
典型的なものは手関節背側(甲側)に出来るガングリオンだ。
その他のガングリオンのできやすい場所としては、手首の母指(親指)側の掌側の関節包やばね指の生じる指の付け根の掌側の腱鞘のあるところだ。
大きさは米つぶ大からピンポン玉大にもなる。手を使い過ぎると大きくなることがあるが普通は無症状なことが多い。
神経の近くに出来ると場合によっては神経を圧迫して痛んだり、運動麻痺などを起こす。
私の友人にも何人かガングリオンが出来た人がいたからそう珍しい事ではないようだ。

以前、私の教え子のN君の手首にガングリオンが出来て演奏に支障のある状態になってしまったことがあった。
その時は、私が手関節の治療でお世話になった酒井先生の治療を受けることを勧めた。
その後、N君は診察を受けてから、注射器でガングリオンの水を抜く治療を受けた。大きくなっていたガグリオンはみるみるうちに小さくなって消えてしまったそうだ。ただ、彼はガグリオンができやすい体質だったらしく、その後も何回か水を抜いたそうである。
その後は再発したと言うことは聞いていない。

そこでKさんにもN君の体験談を話して酒井先生の治療を受けることを勧めた。

酒井先生は日本手外科学会の認める手外科専門医であるところが一番のポイントだ。
手は狭い所に骨格や腱鞘や筋肉などが複雑に密集しているため一般の整形外科では手に負えない。
腱鞘炎などの治療の際に腱鞘の炎症を抑える為にステロイド薬を注射するのだが、専門的な知識やスキルが無いと注射の的を外してしまい注射によって内出血が起きたり、ステロイド薬も多めに入れなくてはならなくなる。
ところが酒井先生は腱鞘注射に高いスキルを持っているのでピンポイントで腱鞘に注射できる。そのためステロイド薬も必要最低限の量で済むのだ。
それに酒井先生はなるべく手術をしないで治そうという方なのでその点も安心出来る。

そんなわけでKさんにも酒井先生の治療を受けることを勧めたのだ。

すると9月末にKさんからお礼のメールが届いた。

『本日、江古田/さかい整形外科でガングリオンの粘性液を注射で抜きました。
注射針の痛みは全く無く、無色無臭のセメダインのような粘液を抜取りました。
大きく硬くなっていたガングリオンの塊は無くなり、痛みもなく、帰宅後普通にギターも弾けました。40年来のガングリオンでしたが、約1分もかからず処置が終わりました。手術を回避して頂いたので普通の生活でOKでした。
痛みも全く無く、先生の説明も詳しく丁寧でした。』とあった。
Kさんの場合、再発が予想されるそうだが今回の水抜き治療で治せるので心配ないと言うことだった。

Kさんにしてみれば40年来悩んで来たガングリオンが、1分もかからず治ってしまったのだからさぞ嬉しいことだろう。
本当に良かったと思う。

東京都練馬区江古田
さかい整形外科
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電話: 03-5912-2552

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