第88話 – アーティストを支えたバッキングの名手達#3


■スティーブ・カーン(Steve Khan 1947~)

ブレッカー・ブラザーズ・バンドのメンバーとして知られるジャズ・フュージョン系の白人スタジオ・セッションマン。作詞家のサミー・カーンは父親。
自身のバンド「アイ・ウイットネス」の活動でも有名。美しいコード・ワークに定評がある。数多くのセッションに参加し、スティーリー・ダンのアルバムでのプレイが有名だ。コード・ワークもソロも参考になる。

▲参加アーティスト

スティーリー・ダン、エスター・フィリップス、フィービー・スノー、アシュフォード&シンプソン、ルパート・ホルムズ、ビリー・ジョエル、ビリー・コブハム、ラリー・コリエル、マイケル・フランクス、ボブ・ジェームス、ベン・シドラン、ステップス・アヘッド、パティ・オースティンなど

ペンタトニックに関する素晴らしい教則本を出していますので紹介します。
Steve Khan「Pentatonic Khansepts」

お薦めCDアルバム
多くのリーダー・アルバムを出していますがここでは参加アルバムを紹介します。

Brecker Brothers Band
「Back to Back」

Steely Dan
「Aja」

Steely Dan
「Gaucho」

次の動画はブレッカー・ブラザーズ・バンドのアルバム「Back to Back」の中の「Keep It Steady」
A FLG Maurepas upload – The Brecker Brothers Band – Keep It Steady (Brecker Bump) – Jazz Funk
7,806 回視聴•2014/12/26

次の動画はスティーリー・ダンのアルバム「Aja」の「Aja」。

次の動画はスティーリーダンのアルバム「Gaucho」の中の「Glamour Profession」。彼の切れの良い刻みとオブリが聴けます。エンディングのギター・ソロはシンプルでありながらエモーショナルです。

次の動画はグラミー賞にノミネートされた「Local Coler」

 

■ジョン・トロペイ(John Tropea 1946~)

ジャズ・フュージョン系の白人スタジオ・セッションマン。ニューヨークを拠点として活躍しました。
バークリー音楽大学出身。私はエウミール・デオダートのアルバムで彼を知りました。当時、ロック系のギターしか知らなかった私にとって彼のプレイはとてもモダンに聴こえました。特にスケールを中心としたドリアン系のプレイは当時としては目新しかったと思います。
彼は、映画やCMの音楽の作編曲も行っています。

▲参加アーティスト

エウミール・デオダート、ロバータ・フラックフィービー・スノウ、ヴァン・モリソン、ダン・シェイファー、ビリー・コブハム、ローラ・ニーロ、ハリー・チェイピン、ポール・サイモン、エリック・クラプトン、ドクター・ジョン

お薦めCDアルバム
John Tropea
レッツ・ゲット・イット・オン(Something Old, New, Borrowed and Blues)」
「Donna Lee」のファンク・バージョンがクールです。

Deodato「ツァラトゥストラはかく語りき(Also Sprach Zarathustra )」
このアルバムでは何かと言うと2コード(多くはドリアン)のアド・リブ・ソロが聴けます。名曲揃いの名盤と言えるでしょう。

John Tropeaのソロ・アルバム「ショート・トリップ・トゥ・スペース」

次の動画はデオダートのアルバム「ツァラトゥストラはかく語りき」の中の「Baubles, Bangles And Beads」前半のテーマが終わると彼のAドリアンでのギター・ソロになる。
Deodato – Baubles, Bangles And Beads

次の動画は Ann SallyをフィーチャーしたJohn Tropeaの「La La Means I Love You 」

次の動画は、彼のアルバム「レッツ・ゲット・イット・オン(Something Old, New, Borrowed and Blues)」の中の「Donna Lee」のファンク・バージョンです。

 

■ジョー・ベック(Joe Beck 1945~2008)

ジェフ・ベックは知っていてもジョー・ベックを知る人はそういないと思います。ニュー・ヨークを拠点に活躍したジャズ、ロック、フュージョン系の白人セッション・マンです。
エスター・フィリップスの「What A Difff’rence Day Makes」の大ヒットで彼は一躍知られるようになりました。デヴィット・サンボーンを世に出した人としても知られています。
彼は作曲に才能を発揮し、彼のソロ・アルバム「BECK」の「Cactus」は、ハイラム・ブロックがお気に入りで自身のオリジナルのごとくカバーしています。

▲参加アーティスト

マイルス・デイヴィス、スタン・ゲッツ、ギル・エバンス・オーケストラ、エスター・フィリップス、アリ・ライアソン、バート・バカラック、ラリー・コリエル、ハンク.クロフォード、ポール・デズモント、デューク・エリントン、メイナード・ファーガソン、ウディ・ハーマン、フレディ・ハバードなど

お薦めCDアルバム

Esther Phillips W/Beck「What A Difff’rence Day Makes」

Joe Beckのソロ・アルバム「Beck」
ハイラム・ブロックがカヴァーしている「Cactus」や「Star Fire」などの名曲が収められています。デヴィット・サンボーンのプレイも聴き所です。

Joe Beckのソロ・アルバム「Polaris」

Joe Beckの上質なジャズ・アルバム「Friends」

次の動画はエスター・フィリップスの「What A Difff’rence Day Makes」です。時代的にスタンダードをディスコ・ビートでアレンジしています。間奏では彼が抜擢したアルト・サックスのデヴィット・サンボーンが素晴らしいソロを披露しています。
ギター・ソロの後にはいかにもディスコのヴァンプが繰り返されています。

Esther Phillips W/Beck「What A Difff’rence Day Makes」

次の動画はJoe Beckのアルバム「Beck」の中の「Cactus」です。ハイラム・ブロックがカバーしています。

次の動画はJoe Beckのアルバム「Beck」の中の「Star Fire」です。

 

■デヴィット・スピノザ(Davi Spinozza 1949~)

ニュー・ヨークで活躍するイタリア系アメリカ人セッションマン。ニュー・ヨークのトップ・セッションマンとして活躍しています。
ジェイムス・バートンやロイ・ブキャナンなどのテレキャスター使いのプレイに影響を受けたそうで、彼もメインハテレキャスターです。
次のサイトに彼のインタビュー記事があり参考になります。

http://www.bluenote.co.jp/jp/news/interview/10209/

▲参加アーティスト

ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、オノ・ヨーコ、ダニー・ハザウエイ、ドクター・ジョン、ポール・サイモン、B・B・KING、ジョン・デンバー、マイケル・フランクス、ベッド・ミドラー、ディオンヌ・ワーウイック、ロバータ・フラック、ジェイムス・テイラー、カーリー・サイモン、アレサ・フランクリン、ピーター・アレン、ビリー・ジョエル、デヴィット・サンボーンなど

お薦めCDアルバム

彼のソロ・アルバム「Spinozza」

彼のソロ・アルバム
「Here(s That Rainy Day」

次の動画は彼がスタンダードの「Autmun Leaves」をカバーした演奏。

次の動画は彼のソロ・アルバム「Spinozza」の中の「 On My Way To The Liqour Stoe」枯れ葉にそっくりなコード進行のオリジナル曲です。テレキャスターなのにそれを感じさせないなめらかなサウンドとタッチ、素晴らしいテクニックです。

次の動画は、2019年のブルー・ノート東京でのスティーブ・ガァット・バンドのライブ映像です。デヴィット・スピノザが参加しています。

 

■ヒュー・マクラッケン(Hugh McCracken 1942~2013)

ニュー ・ヨークを拠点に1960年代から売れっ子セッション・ギタリストとして活躍した。主にセカンド.ギターとしてリズム・ギターを担当することが多かった。またハーモニカも上手くプロデュースなども行っていた。ザ・ライターズと言うバンドを結成しアルバムも出しています。

▲参加アーティスト

ロバータ・フラック、フィービー・スノウ、トム・スコット、ヴァン・モリソン、ローラ・ニーロ、B・B・KING、ポール・マッカートニー、ケイムス・テイラー、ポール・サイモン、ボブ・ディラン、ビリー・ジョエル。マイケル・フランクス、ジョン・レノン&オノ・ヨーコ、山下久美子、カーリー・サイモン、フォリナー、アート・ガーファンクルなど

お薦めCDアルバム

Tom Scott 「Apple Huce」

Roberta Flack「Quiet Fire」

Phoebe Snow「Second Childhood」

次の動画はトム・スコットのヒット・アルバム「New York Connection」の中の「Midtown Rush」です。
彼はニューヨーク・リズム・セクションの一員としてクレジットされています。

Jazz Funk – Tom Scott – Midtown Rush

次の動画はソニー・スティットの「Never Can Say Goodbye」です。地味ですが彼のリズム・ギターが聴けます。

Sonny Stitt – Never Can Say Goodbye

この動画は、彼の参加したバンドThe Writersのアルバム「Akk In Fun」の中の「A Shift In The Wind」です。

 

■ジェフ・ミロノフ(Jeffrey Mronov 1949~)

1970年代にニュー・ヨークを拠点に数々のスタジオ・ワークで注目を集めたジャズ、フュージョン系白人セッション・マン。1975年からはハーヴィー・ハンコックのグループに参加。その後、1977年からパーカッシンにラルフ・マクドナルドが率いるザ・ライターズに参加しました。彼のシングル・ノート・カッティングは多くのギタリストに影響を与えました。

▲参加アーティスト

ダイアナ・ロス、マイケル・フランクス、ロバータ・フラック、ハーヴィー・ハンコック、ボブ・ジェイムス、デイヴ・グルーシン、渡辺貞夫など

お薦めCDアルバム
The Writers「The Writers」
彼の参加したスタジオ・ミュージシャンのバンドのアルバムです。ヒュー・マクラッケンも参加しています。

Michael Franks「Passhion Frut」

Diana Ross「Why Do Fools Fall In Love」

次の動画はマイケル・フランクスのアルバム「パッション・フルーツ」の中の「Rainy Night In Tokyou」です。
Rainy Night in Tokyo

次の動画は、デイヴ・グルーシンの「Mountain Dance」です。

次の動画は、渡辺貞夫さんの1980年の「Up Counry Live」の動画です。ギターには彼とエリック・ゲイルが参加しています。たぶん右に聴こえるのがエリック・ゲイルで、左に聴こえるのがジェフ・ミノロフだと思います。

1980 渡辺貞夫 :: UP-COUNTRY Live @ Budokan (bo2o re-cut)

 

■ハイラム・ブロック(Hiram Bullock 1955~2008)

24丁目バンドやデヴィット・サンボーンのバックで知られているジャズ、フュージョン、ロック系セッション.マン。
大阪堺市出身。彼の奥さんは日本人で大の日本びいきなのは有名だ。ライブ・パフォーマンスに優れ、多くのファンに愛されたが若くして喉頭がんで死去。グルーヴィーでパワフルなプレイに特徴があった。パット・メセニーの弟子でもある。

▲参加アーティスト

24丁目バンド、デヴィット・サンボーン、ボブ・ジェイムス、ポール・サイモン、シティング、ビリー・ジョエル、チャカ・カーン、カーラ・ブレイ、ギル・エバンスなど

お薦めCDアルバム

24丁目バンド「24丁目バンド」
ベースのウイル・リーと結成したバンドのアルバム。名曲「Shoppin’ ‘round Again」が収められています。

デヴィット・サンボーン「David Sanborn Band」
ハイラム・ブロックが憧れたジョー・ベックが世に出したデヴォット・サンボーンのアルバムでハイラム・ブロックが演奏しているのは何か深い縁が感じられます。

次の動画は、24丁目バンドの「Shoppin’ ‘round Again」
the 24th. street band – shoppin’ ‘round again

次の動画は、彼のアオロ・アルバムから「Cactus」。
ジョー・ベックの曲をカヴァーした演奏です。

次の動画は、デヴィット・サンボーンのライブの動画です。彼の活き活きとしたパフォーマンスを観ることができます。

David Sanborn Group / Chicago Song (1990)

 

■終わりに

他にも上手いギタリストや参考にしたギタリストはたくさんいますが基本的にソロ活動がメインであったり、バンド活動がメインのギタリストなどセッションで他のアーティストのバッキングをしないギタリストは除外しましたので悪しからずご了承ください。
またセッション・マンであっても私があまり詳しくないギタリストもここには含まれていません。
あくまで私が参考にしたセッション・ギタリストと言うくくりです。
少しでも皆さんのご参考になれば嬉しいです。

最後におまけで気になるセッション系ギタリストを紹介します。

■デニス・バドマイヤー(Drnnis Budmmir)

■デビット・ウイリアムス(David Wiliams)

■カルロス・リオス(Carlos Rios)

■マイケル・センベロ(Michael Sembello)