第96話 – Scale Out #4


セミ・アウト

コラム第9話と第94話、第95話に続いて今回は「Scale Out」の第4回です。
引き続きセミ・アウトの方法を紹介します。

今回も便宜上設定するトニック・コードを変更してそこに向かうドミナント7th・コードに対してコンビネーション・オブ・ディミニッシェド・スケールを使うことによってセミ・アウトします。

ソロの手順

全体としてはAm7の一発コードのバッキングに対してソロをかぶせるとします。
モードとしてはAドリアン・モードです。

①Am7に対してAmペンタトニックやAドリアンのスケールなどを使ってアド・リブをします。
いずれにしても充分にトニックのサウンドを聴かせてください。
今回の場合はAm9を感じさせるマイナー・リックにしました。

②譜例のように1小節目の最後に伸ばした9thのB音がピヴォット・ノートです。
Am7の9thのB音を弾いたと同時にこのB音はG7の3rdのB音であると頭の中で思い直します。

③2小節目からG7がオルタードしてトニックの代理コードのCM7へ向かうことにします。

④G7altに対応するスケールをリスト・アップして好きなサウンドのスケールを使って離脱します。
ここでは、前回に引き続きコンディミを使うことにします。G7altに対応させる為、Gのコンディミを使います。

⑤アウトした瞬間、B♭音→A♭音と続きますからアウト感も強い出だしです。ここから一気に4拍目のCM7のフレーズに向かいます。

⑥トニックの代理のCM7コードのアルペジを中心としたフレーズを弾いてトニックへの解決感を出します。最後はCM7のM7thのB音で終わっています。
この音はAm7にとっては9thなので、9thのテンションを伸ばして終わっているように聴こえます。

新しいトニック・コードを設定

Aドリアンのダイアトニック・コードの内、トニックの代理の働きをする四和音は、CM7とEm7です。
今回は、CM7を新しいトニックとして設定します。
そして、それに対するドミナントはG7altです。
Aドリアンのバッキングの上にAm9→G7alt→CM7と言うソロの為の便宜上のコード進行を設定します。

G7に対応するスケールをリスト・アップする

G7に対応するスケールをリスト・アップします。
オルタード・スケールやホール・トーン・スケールやコンディミなど適度にAドリアン以外の音を含むスケールを選んでください。

今回は、前回に引き続きGのコンディミを使うことにします。

GのコンディミにはA♭音、B♭音、C#音やF音などのAドリアン以外の音が含まれています。
これらの音がAドリアンにとってどう言う音なのかを考えると、A♭音は異名同音で導音のG#と同じですが使われ方が違うので導音には聴こえないでしょう。
B♭音は♭9thの音ですがAm7コードにとってはアヴォイドです。
C#音はA音を1とすればMajor 3rdの音ですからAm7コードにとってはかなり不協和です。
F音はAm7コードに関連して考えればAナチュラル・マイナー・スケールの第6音の♭6です。
今回は前回や前前回と違ってかなり不協和な度合いが高い音使いです。

リハーモナイズによるセミ・アウト

今回もピヴォット・ノートを設定してその音を軸音にしてアウトしたわけではありません。
今回もリハーモナイズによるセミ・アウトと言えるでしょう。
ただ、敢えて言うなら、アウトする直前のB音がAドリアンとGコンディミとのピヴォット・ノートであり、それを軸音にして離脱したと言っても良いと思います。

トニックへの復帰

初めの譜例の2小節目の4拍目からがCM7のフレーズです。4拍目頭のE音はピヴォット・ノートになり得ます。そこでその音からCM7のフレーズに進行してトニックに復帰しました。

参考コラム

当コラムの他の記事にも関連した内容がありますのでこちらもご参照ください。

第 9話 – Scale Out
第24話 – リハーモナイズによるセミ・アウト手法について
第39話 – トニック・ディミニッシュの応用について
第79話 – 短3度代理システム
第84話 – セミ・アウトの薦め
第94話 – Scale Out #2
第95話 – Scale Out #3